死産を考える(1):グリーフ研究から
- 2011年09月30日
- グリーフ
グリーフケアの勉強をする中で驚いた事の一つに死産の数の多さがあります。日本の周産期の死亡率は世界第一の低水準にあります。しかし、2010年の厚生労働省の統計によると、法的な死産の定義である12週以降の死産は27,000件と報告されています。近年、自死の数が年間30,000件を超えた事が話題になり、グリーフケアの観点からも、その遺族の悲しみには心を痛めていましたが、それに近い数の家族が、子供の死を経験しているのです。
そして、これだけ多くの人が死産を経験しているのに、そのことは一般的には知られてるように思われません。ここには、死産の「沈黙の性質」があるのではないか、と感じます。流産もそうですが、周産期の死は「公認されないグリーフ」(詳しくはこちら)になるケースが多くあり、語られない死の様相を呈する事がしばしばです。 続きを読む